誠実、信頼、そして、希望
耕作放棄地の開拓に多くの仲間と汗を流し、大学等で若者たちに講義を重ね、多くの人たちと語り合った、市長退任後の3年半。一市民としての実践に取り組みながらも、支えて頂いた市民の皆さんのこと、苦労を共にした市職員の皆さんのこと、市政を取り巻く諸々の課題、そしてこのまちのゆくえを、案じなかった日は一日たりともありません。
人口減少、少子高齢化、地域コミュニティの弱まり、社会インフラの老朽化、地域経済の衰退、貧困や格差の拡大、公共部門の財政悪化…そうした課題群が、より深刻化しながら私たちを取り囲んでいます。こんな時こそ「人にとっての幸せ」「社会の本当の豊かさ」に思いをいたし、危機感をバネに「持続可能でゆたかな社会」へ歩みを進める機でもあります。
多彩な地域資源や豊富な人材など、極めて恵まれた可能性をもつ小田原は、本来、この国が直面するそうした危機を乗り越え、誰もが安心して暮らせるモデルとなるべき都市です。しかし残念ながら、市民や職員と手を携え、「推譲」と「一円融合」の心で、共に課題解決に汗を流そうとする気概を、現市政から感じることはできません。
今、小田原市政が取り戻すべきものは、誠実と信頼、そして希望です。
「歴史の峠」を踏み越え、確かな未来へと続く道を皆さんと共に拓くべく、大地に立ち、人の力を信じ、持てる力の全てを注ぐ決意です。
1964年、小田原生まれ。中学2年生までに両親を失うも、小田原高校、京都大学法学部を卒業。
経営戦略、教育、農業、林業、漁業、商業など、様々な現場に携わるかたわら、災害ボランティアや市民活動にも積極的に取り組む。
2008年小田原市長に初当選、以後3期12年を務め、2020年に退任。
現在は、自給農をベースに、耕作放棄地を開拓してのワイン葡萄や有機レモンの栽培、4つの大学等での講師、広域でのネットワークづくりなどに取り組み、汗をかく。