加藤けんいち

おだわらを拓く力(加藤けんいち後援会)

基礎自治体としての在り方の検討

こんにちは、小田原市長の加藤です。基礎自治体としての在り方の検討についてお話をさせていただきます。

小田原市が存在するこの神奈川県西部、従来から県西地域、2市8町と言われるエリア。これはもう半世紀近い広域行政の歴史がございます。ご承知の通りかつては小田原藩であったり足柄藩であったりして、この地勢的一体感の中で隣り合った市・町が連携してこの地域圏の行政課題に取り組んで参りました。そういった中、ご承知のとおり日本では人口減少・高齢化が進んでいきます。この県西地域の2市8町の中でも6つの町が消滅可能性自治体というような分類をされるに至っております。小田原市はこの県西地域の中で文字通り中心市としての役割を果たしてきましたし、広域行政においてはリーダーの役割を担いながら、小田原の中の課題解決だけでなくこの広域における様々な課題の解決に向けた取り組みを引っ張ってまいりました。

そういった中、小田原市といえども大きな基礎自治体を取り巻く厳しい状況から例外ではございません。人口は減少しておりますし、税収も決して伸びているわけではありません。これから高齢化が進んで公共施設の更新などにまつわる財政支出が予定されている中で、いかに小田原市単独としての財政の健全性を維持するかという事も考えて行かなければいけませんし、一方で小田原より難しい状況にある周辺の市・町の状況も含めて、この県西地域が健全な状態で持続可能な状況であり続けるために、小田原市は中心市としてより確かな権限と能力を持たなければいけないと考えております。

そういう中でそういった課題認識を共有している小田原市とお隣の南足柄市、この2市に於きまして、今後の県西地域のより健全な在り方、持続可能な将来都市像というものを目指した協議を進めていくこととなりました。

これには大きく二つの視点があります。一つは県西地域における中心市としての在り方というものを見極めていきましょうという事です。これは具体的には小田原市と南足柄市の合併という選択肢も含み、あるいは中核市への移行という選択肢も含みながら検討していこうという事。もう一つは強化された中心市と周辺の町との広域連携の在り方を模索するという視点でございます。

今、国では日本の国土を中核市規模、すなわち人口30万人以上の中心市機能を持つ中核市を中心に、周辺の市・町との連携を作り、これを連携中枢都市圏として規定し、こういったものに国や県から様々な財源や権限を与えて、地域の中でできる限り地域の課題解決に向き合っていただける、そういう国家デザインというものを考えて国は制度設計をしています。そういう観点から見ますと、県西地域は県西地域の中でしかるべき中心機能をしっかり確立し、それを中心としながら周辺の町が抱える課題とも課題ごとの連携をしながら解決してゆく、そういう体制を目指してくことが現実的であると考えております。

そういう観点から、まずはこの中心市の機能強化、周辺との連携の在り方について小田原市と南足柄市で協議を始めていきます。これは28年の10月から約一年間掛けまして協議を進めてまいります。この中に含まれて参ります合併、あるいは中核市、こういったテーマにつきましては、特に合併については住民の皆さん方の関心が高いと思いますので、住民の方たちとも十分議論を共有し、情報を開きながら皆さんの意見も汲み上げながら、地域としてのあるべき姿というものを見出して参りたいと考えているところでございます。