加藤けんいち

おだわらを拓く力(加藤けんいち後援会)

小田原市のいくつかの不祥事について

みなさんこんにちは。 小田原市長の加藤です。
この間、小田原市に発生した不祥事についてお話をいたします。

最近、この小田原市に発生した不祥事について、いろいろな情報が飛び交ってしまっています。 さまざまな憶測、あるいは偏った見方、こういったものがいろいろな紙面で流されている中で、市民の皆さんもずいぶん心配をされていることと思います。 ひとつひとつお話をしたいと思います。

まず最初に不祥事として取り上げられたのは、市立病院の宿日直手当の過払い問題です。 これは、平成17年度ないし平成18年度に発生した問題が解決されずに、そのままずっと根強く存在をしていたものが、2年前に発覚したしたものでございます。 私どもも、そういう問題の存在に対して、どういった構造で過払い問題がおきてきたのか、何が問題だったのか、何か不正があったのか、犯罪性はあるのか、そういう視点で事実を明らかにしようという取り組みを進めて参りました。 弁護士さん達による第三者の委員会の方達にも客観的にお願いをして、この解決を進めて参りました。 よく言われるのは、市長も含めた執行部が問題を隠蔽(いんんぺい)しようとしているんではないか。ということを言われます。

私どもは、私どもの時代において発生していたわけではなく、かつての時代に原因を持っているこの事態の原因究明をはばかるような要素は何もございません。 私自身が、おそらく一番真相究明をしたいと思っている本人でございます。 そういう視点でしっかりと原因究明をしていただきたいということで取り組みをお願いをして参りました。 その結果、なぜ過払い問題が起きたか、過払いが発生してしまったか、これも原因がはっきりといたしました。 それに対して、厳しい医療の現状に則した手当の仕組みになっていないということがわかりましたので、今後は医療の実態と手当の仕組み、これをちゃんと一致をさせて、実態とそぐわない部分の過払いという状況にならないように、この制度はすでに変えてあります。

またその不足分、そうはいっても実際に制度と異なる手当が支給されていたことによって、1,500万円も不足金が生じております。 その不足金は補填をしなくてはいけませんので、これについては、この間の医療行政に関わった主な職員、あるいは職員のOB。そしてその医療分野に関わった医師の先生方、この両者でうまく按分(あんぶん)をして補填(ほてん)しておこうということで、この作業もすでに始まっております。 だいたい来年度中には、この補填作業も終わる見通しであります。 したがって、これについては、きちんとした第三者委員会の皆さん方の方針に基づいて、問題解決はすでに終わっております。

2つ目、農政課の贈収賄(ぞうしゅうわい)の問題です。 これも事件が起きたその問題となった贈収賄の出来事自体は、平成21年の3月4月、平成20年度の終わりですね。私が就任したその年の終わりぐらいでありますけれども、そういう意味では私の任期の中で起きたことでありますが、おそらくそれまでの、さまざまな小田原の中での、いわゆる受発注の関係性の中での問題が、この事件につながったと思っております。 これにつきましても、当然のことながら事実関係を究明し、その当事者となった職員については懲戒免職ということになっております。 またその当時、その作業に関わっていた直属の上司、こういった者達の処分も行い、当時の責任者だった課長級の職員については、その後、私どもの方から告発をしております。 厳しくのぞみ、当然、私どもも、身をきる処分をさせていただきました。 今、こういう事態の発生に鑑みまして、庁内のさまざまな事務手続きの適正化、また契約事務の執行、こういったものすべて見直しをかけまして、厳しくチェックをする体制を敷き、粛々と再発防止に向けた取り組みをしております。

また、比較的最近発生した、市立病院の医事課の金庫から、現金が盗まれてしまったという事件がございました。 これは私も大変驚きました。 というのは、職員が窃盗(せっとう)の当事者になっていたからであります。 これについては、この犯罪行為については、弁解の余地はありません。 ひたすら市民のみなさまにはお詫びをするしかございません。 なぜ、この職員がそういった事件を起こしてしまったのかということは、いまだに以て私どもも大きな疑問点であり、解明できていないものでございます。 ただもう1つ、この事件が起きてしまった背景は、医事課の金庫に預かり金というお金がきちんと管理されないかたちで保管されていた、という背景があります。 この預かり金が、金庫にしっかり管理されないで保管されていた背景、この事実はずっとさかのぼれば平成17年、18年ぐらいまで、また記録に残っていない範囲ではさらにその先までさかのぼることでありまして、長らくこの市立病院の医事課の中での、大きな問題として存在していたことが改めてわかりました。 これも事の背景は、以前からずっと継続されていた、院内でのお金の管理のずさんさということにあります。 今回、この窃盗ということによって、そういう状況が明るみにでましたので、これもやはり先ほどと同じように、根治に向けてお金の管理体制、また預かり金という制度そのものを廃止し、夜間会計を導入して、夜間に入院された方たちの会計をその場でできるよう、すべて制度は改めております。 また、窃盗をした職員について、警察は最終的に不起訴としましたけれど、私どもは厳しく、懲戒免職というかたちで臨ませてもらいました。 当然、これに関わったさまざまな幹部職員等の処分も済ませております。 ただ残念ながら、この窃盗に及んだ職員が、盗んだという金額以外の部分もまだ不明なままになっています。 これについては、犯罪の領域になりますので、警察に捜査を全面的に託し、真相解明を私どもも今待っているところでございますが、捗々(はかばか)しく進展をしていない状況でございます。 いずれにいたしましても、事実を隠そうとするような意図は私どもには全くございませんので、明らかになり次第皆さんにまた、お伝えしていこうと思っています。

また最近では、教育委員会の方でも通知表の誤記入問題、三の丸小学校でのプールで水が漏れてしまって300万円の損失が発生した、こういうこともございます。 現場での明らかな注意不足、また教育現場にいろいろなシステムを導入する中での色々な意味での習熟不足がこういったところに発展してしまっております。 通知表の誤記入問題も、小田原市がすべて問題を明らかにして、全容を皆さんに報告しました。 その後、横浜市であったり、海老名市であったり、さまざまなところで通知表の誤記入問題がいわば連鎖をして明らかになっています。 これはどこの教育現場でも、潜在的に起こりうる問題だったのです。 肝心なことは、こういった問題の事実を明らかにして、原因を徹底的に究明して再発防止をしていくということですので、今教育委員会ではそのような取り組みを進めているところでございます。

このように、不祥事につきましては、当然それが起きた原因、背景そういったものがあり、またそれに対して一番大事なことは再発防止をしっかりやっていくことでありますので、今その取り組みをやっています。 したがって、私達がなにか意図をもって働いた、あるいは何か不正があってそういうことが起きていた、なにか隠しているんじゃないか、そういう疚(やま)しいことは一切ございません。 問題が起きた時には、それを解決することが何より大切であります。 またそれを再発をさせない、根治をするための取り組みを徹底してやることが一番大事であります。 今、その取り組みを隠すことなく進めている状況でございますので、是非ある意味、安心していただくとともに、厳しく見守っていただきたいと思っています。