加藤けんいち

おだわらを拓く力(加藤けんいち後援会)

「ヒルトン小田原の問題」について

みなさんこんにちは。 小田原市長の加藤です。
ヒルトンの問題についてお話をいたします。

小田原の中でも、最も景勝の地と言われる片浦に立地をしておりますヒルトン小田原リゾートアンドスパ。 これは前身でありましたスパウザ小田原の施設を小田原市が国から買い取りまして、その後、この運営をヒルトン小田原に委託をしてまいりました。 小田原市が大家になってヒルトンさんにホテルの運営をしていただいて、家賃を納めていただき、その家賃で施設の修繕等をする。 そういう関係でこれまでやって参りました。 世界的に非常に有名な、また大きなホテルチェーンでありますヒルトングループのひとつ、ヒルトン小田原のみなさんは大変この小田原のホテルの立地を気に入っていただき、ここで是非末永くホテルの経営をしたいということでこれまでも取り組んできていただいております。

小田原市のさまざまな観光行政との連携、また地元の地域の方達との連携、もちろん地元の市民の方達の雇用、また市民の利用に対する様々な優待の制度作り、こういったものもやっていただきながら、これまでまさに一緒になって、この地域の観光振興に取り組んできていただいた、いわば私たちにとっては重要なパートナーといえる存在であります。 もちろん小田原市がオーナーであり、そのオーナーの持っている宿泊棟施設のオペレーターとしてあの施設を健全に運営して行く上でその事業を委託している、そういう間柄でもあります。 したがって単に地域の一民間ホテルということではなく、ともにこの地域の観光振興また魅力発信を担ってきたパートナーという関係でございます。

そのヒルトンさんの方から高い家賃を納め続けていくなかで、なかなか経営も厳しい。できれば取得をしてしっかりとホテルのリノベーションをし、改装ですね、改装をして、いわゆるヒルトンスタンダードのホテルの部屋作り、施設作りサービスの提供、こういうことをしてしっかりと根をはったホテル経営をこの小田原でしていきたいというお申し出をいただきまして、ホテルの所有権の移転に向けて作業をして参りました。 そういったなかで、本来であれば昨年の12月末までにこの所有権の移転の作業を進める予定だったんですけれども、ヒルトンさんサイドの会計上、また法律上の問題が明らかになりまして、この作業は一時ストップをしております。 ただ現在もその後、その課題を克服するために、ヒルトンさんでは所有権の移転に向けた方法論の検討をいま進めております。

また私どもも12月までという拙速な状況はひとくぎりをして、こちらも改めてヒルトンさんにきちんとした形で所有権を移転するため、いま作業をしております。 いま双方にワーキングをしておりまして、遠くないうちに皆さん方にこの具体のお話をすることができると思っています。 なお、みなさん方が心配をしておりますこのヒルトンさんに対するホテルの売却価格。これが日本で最もホテル施設等の不動産鑑定で権威のあるところに見立てをしていただきまして、9億円という数字がでています。 問題になってきたのは、これがあの建物の固定資産税の評価額といわれる130億円とずいぶん乖離(かいり)があるではないか。9億円で売ったら小田原市は損をする。そのようにいわれています。 ただこれはやはり誤解がありまして、このホテルの所有権の移転というというものは、そのホテルがいったいどのくらいの収益を生むか、という収益還元という観点で鑑定をされるのが通例となっています。 また、そのホテルを取得した場合に、その後、どれくらいの施設の改修費が必要になるか、こういうこともすべて考慮した上で、適正な売買価格というものが設定をされていきます。

そういう中で出されてきた鑑定が、9億円という数字でありまして、これはホテルの経営の業界の中では極めて妥当な数字ということで評価をいただいているものでありますので、この辺りは是非その数字をみなさんにも適正であるということをお伝えしたいというふうに思います。 いずれにいたしましても、ヒルトンさんはこの小田原を気に入っていただき、取得をした後には、総額で20億以上の投資をして本格的な改装をし、末永くホテル経営をしていくというお考えであります。 また、ホテルを取得されたあかつきには、当然のことながら所有者になりますので、小田原市に対しては固定資産税収入というものが当然発生をしてきます。

そういったことを諸々考えますと、小田原市としては固定資産税が入る、また、今後発生する大規模な施設改修の投資をしなくてすむ、なによりヒルトンさんというすばらしいホテルのオペレーションが、より本格的な形であそこに展開をしていく。こういうことを考えますと、これまで信頼関係を築きましたヒルトンさんに、適正な形でしっかりと所有権の移転をしていく。この取り組みをこれから進めていきたいと考えています。