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- マニフェスト2012
- 【参考】実現される地域の姿
【参考】実現される地域の姿
- 三大懸案事業
- 【小田原地下街:25 年度再開】
小田原および県西地域が誇る豊かな地域資源(自然環境、農林水産、ものづくり、歴史や文化、市民活動など)を、商品やサービス、あるいは観光情報などの形に仕立て直し、小田原ならではの魅力として集約、整備。小田原駅から地下街への動線、地下街から中心市街地への動線をスムースにすることで、年間3500
万人といわれる小田原駅利用客を地下街へ、更には中心市街地へと誘引します。
JR 東日本や小田急など鉄道各社と連携したPR
や企画を通じ、鉄道を介した広域からの来訪客の大幅増加を実現、それによる新たな消費需要の獲得を目指します。小田原の経済衰退の象徴とされてきた地下街を、地域資源を活かして再生することにより、小田原活性化の本格的開始とポテンシャルの高さを内外にPR、交流人口の拡大と外部からの資本流入を促します。
更に、地域資源を素材とした新たな事業が創出されることで、農林水産・ものづくり・外食関連産業などの分野において、市内全域にわたる中長期的な経済波及効果へとつながります。
- 【お城通り地区再開発事業:26 年度駐車棟供用開始】
小田原駅から旭丘高校にかけてのお城通りの鉄道側に、公共事業として緑道整備が始まっています。通り沿いの民間地権者の皆さん方のご協力を得て、順次小田原駅方面へと整備が進む予定です。
また、現在の広大な駐車場のお城寄りに、300 台以上を収容する駐車棟を、26
年度中に整備すると共に、この建物に、駅周辺に点在している会議室や市民利用スペースなどを集約した、公共施設も組み込んでいきます。その中には、現在市民会館にある市民活動サポートセンターなども移転、公共交通の便の良い駅前に市民利用施設が集約されることで、市民による交流や学習活動が一層活発化します。
それ以外の、駅寄りのスペースについては、経済の動向も見据えながら、広域交流拠点にふさわしい交流機能などの配置を、基本的には民間事業者の参画によって進めます。優れた事業計画が位置づけられるまでは、駅前の貴重な広場として、緑を配し、多目的に利用していきます。
- 【市民ホール:28 年度竣工】
多くの市民の皆さんや、芸術文化関連分野の専門家の皆さんによる、丹念かつ熱心な議論の積み重ねによって、すばらしい基本構想および基本計画、そしてソフト育成に深くかかわる文化振興ビジョンが策定されました。これを受け、24
年度は管理運営計画づくり、選定手法の検討を入念に行ったうえで設計者を選出します。その後、25~26 年度で設計、27~28 年度で建設、竣工となります。
地権者のご理解を頂き三の丸地区の用地確保が進みました。馬出門の正面であり、大手門を経ての正規登城ルートに接する、非常に貴重な土地でもあり、歴史的景観や文化財への配慮などを十分に検証したうえで、できるだけお堀から離し、高さを抑えた建築を目指します。
この施設は、これからの小田原の活力を生み出す上で不可欠な、芸術文化創造の拠点となります。優れた舞台や美術の鑑賞の場となるのみならず、市民による多彩な創造活動の拠点となり、更には市内全域に文化活動を押し広げていくセンターともなります。また、周辺の商店街活動との連動や、駅から東海道筋へと至る回遊ルートの要となって、街なかに活気をもたらす場となります。
- 地域コミュニティ像
- 持続可能な市民自治のまちの最も重要な基本単位として、地域コミュニティを位置づけます。自治会連合会単位を基本に、安心して暮らせる市民生活の基礎的な機能を配置、もしくは育成を進めます。
具体的には、高齢者・障がい者・子どもたちや子育て中の親などを、地域でしっかりと支える「ケアタウン」の仕組みを確立すると共に、子どもたちを地域ぐるみで育てる「スクールコミュニティ」の機能を確保します。併せて、それらを担い支える地域の人材を確保・育成する仕組みを創ります。地域の中には、それら住民の皆さんの活動拠点となる場を設け、更に地域内の様々な活動推進を支える地域担当の職員配置を強化していきます。
地域別計画に位置づけられた地域コミュニティ活性化のための諸事業が取り組まれ、お互いを支えあうために必要な顔の見える関係作りが進みます。特に、防災活動の強化に重点を置き、小中学生から高齢者までを巻き込んだ役割分担を進めることで、いざというときの助け合いを可能にすると共に、日常的な安全・安心と、子どもたちの地域への愛着を深めます。
これまで市から地域の自治会等に委託がされている諸事業に加え、今後地域での主体的な取り組みが望まれる分野については、その機能や権限、それにまつわる財源などを、できるだけ地域に移管し、地域の皆さんによる課題解決の促進と、担い手としての自覚と能力の向上を支援します。
高齢者の皆さんは、これまでにも既に地域活動の主戦力としてたいへんな活躍をして頂いていますが、今後においても、様々な分野において、豊富な経験と知識、人間への理解に立った、地域づくり・人づくりへの貢献、特に、子どもたちや、弱い立場の方々を見守って頂く分野などで、活躍が期待されます。そのことによって、ご自身の健康と活力も大いに維持・向上していくことでしょう。
- 中心市街地の活況
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県西部の一大ターミナルである小田原駅から、多くの来訪客が街なかに広く回遊する仕組みができます。まず、小田原の魅力がぎっしり詰まった地下街に多くの来訪客が流入、さらにそこでのガイダンスや情報を得て徒歩もしくは公共交通で市内全域へと回遊が進みます。各種整備が進む小田原城界隈を中心に、歴史や文学の遺産が多数存在する清閑亭・小田原文学館・松永記念館などを拠点とするまちあるきが定番となります。歴史まちづくり法に基づき整備が進むかまぼこ通りや南町、板橋界隈などが、多
くの来訪客を惹きつけます。
中心市街地では、空き店舗を活用した魅力的な空間づくりが進み、川東地区とは異なる、地域資源や各種のなりわい、ものづくりやアートなどの魅力が感じられるまちを形成していきます。小田原の木材を活かした店舗づくりや、花と緑あふれる街路の形成、商店街のにぎわいと街なか居住を同時に実現する新しいタイプの再開発事業(「都市廊」:1~2
階は商店やアトリエ、3 階以上は住宅、周辺空地は緑地帯となる)などへの着手が始まり、中心市街地は新たな顔立ちへと変貌を遂げていきます。
市民ホールを拠点とした芸術文化創造活動は、様々なソフトの育成とそれにまつわる人的交流の活発化によって、隣接する中心市街地にも大きな波及効果をもたらします。街なか市場やマルシェ、コンサートや寄席などの賑わい事業が一年を通して活発に行われ、文化的・知的な刺激に満ちた、歴史文化都市らしい小田原の姿が実現していきます。それは、若者たちの活動拠点や新たな職住近接のオフィスの誘致につながり、「小田原スタイル」の形成が進んでいきます。
- 地域経済の好循環
- 平成23
年度に多くの経済界の皆さんの協力によってまとめられた「小田原市地域経済振興戦略ビジョン」に基づき、小田原が誇る多彩な地域資源を活かした、様々な切り口での交流人口拡大とそれによる地域内消費の活性化が進みます。小田原らしい地場産業の魅力を見せる産業観光、幾層にも重なっている歴史的・文化的資源をつないでみせる文化観光、農林水産分野の素材を、生産者と地域商業者らが一緒になって加工販売する6
次産業化などを、活発に展開することにより、商業者や観光関連事業者の
みならず、市内の第1 次・第2 次分野の生産者や事業者の皆さんにとっても、大きな事業機会の拡大となり、売り上げや収益の増加につながります。
生産者や事業者にとっての経営状況の改善は、事業への投資余力の拡大、担い手の確保や育成などに繋がります。農業においては生産面積の拡大や耕作放棄地の解消、水産加工分野においては新たな加工分野への取り組みや商業形態への展開、林産分野においては木材の多角的な商品展開などに、それぞれ
取り組みが進み、それが更なる小田原の魅力となり、より多くの交流人口拡大や消費拡大へと向かっていくことになります。当然、そのプロセスに係わる商業関係者にとっても、事業機会の拡大となります。
さらに、それらの活動や産品に、豊かな自然環境を愛し歴史と文化の蓄積を誇る小田原ならではの、環境と調和できる持続可能な技術、森づくりと豊かな海づくりの連動に代表されるような高い市民意識、白秋の童謡に歌われたようなやさしさや美しさなどを付加することによって、小田原の魅力を更に普遍的なものに高め、各方面からの注目と憧れを惹きつけていくことができます。
- 子どもたちの健やかな育ち
- 小田原の子どもたちが、健やかに、逞しく、優しい心をもち、地域への愛着と信頼を育みながら育ってくれるよう、地域総ぐるみで子どもたちの生育環境をしっかりと築いていきます。
保護者の皆さんの子育てを応援するための、子育て支援センターや各地の子育てサロンの密度や頻度を高め、安心して子育てができる地域環境をしっかりと形成すると共に、保育園や幼稚園の入園がスムースにできるよう、入園枠の十分な確保に向け関係者と連携を強化します。お母さんやお父さんたちの安心の中で育つことが、子どもたちにとってはまず何よりも大切なことだからです。
小学校では、既に定着した少人数学級の落ち着いた環境の中で、基礎的な学習や集団活動をスタート。各小学校ごとに熱心に行われている、地域性を活かした教育活動などで、学力と並行して、総合的な体験を重ねていきます。学校の外では、「スクールコミュニティ」の理念でもあるように、地域の住民の皆さんにいつも見守られ、様々な活動にも参加ができる仕組みが作られます。子どもたちに関する情報は地域の皆さんが共有すると共に、様々な活動の場が子どもたちに開かれています。放課後の居場所や休日の活動などにも、地域の皆さんの協力が得られています。お祭などの地域行事、子ども会活動なども活発に行われ、そこで子どもたちが「ふるさと」を感じていきます。
小学校の高学年では、より広い世界へと歩み出すために、様々な体験学習の機会が用意されます。旧片浦中学校など、小田原の恵まれた環境と地域資源、人の温かさを活かした体験合宿など、おだわらっ子として逞しく育つための基礎を、しっかりと培います。
中学生になれば、防災活動や健民祭、環境美化など、今度は地域活動の貴重な担い手として、頼られる存在に。明日の小田原を担う人材としての意識を、しっかりと身につけていきます。