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- マニフェスト2012
- 全体を通しての重要テーマ:7+1
【⒉ 全体を通しての重要テーマ:7+1】
- ⒈「いのちを守る地域自給圏」の形成
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大震災の襲来から無縁でいることができない小田原にとって、災害に強く、被害を最小限に留め、迅速に復旧できるまちのあり方を実現することは、極めて重要な課題です。新総合計画には、将来に向けて必要な政策は全て位置づいていますが、東日本大震災を受けて、更に「いのちを守る」視点からの補強が必要になっています。
各種防災対策はもとより、支え合いの風土と仕組みを育て、いのちを支える要素(水、食料、エネルギー、ケアなど)を地域で可能な限り自給できる、安心して暮らすことのできる地域圏を構築します。このことは同時に、真に持続可能な地域社会を創ることに他なりません。また、「小田原に住んでいれば安心」と思われるまちづくりは、最大の地域ブランド形成にもつながります。
- ⒉ 地域内分権の推進(地域の課題を地域で解決できる態勢)
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持続可能な市民自治のもっとも重要な基本単位は、「地域コミュニティ」です。この地域コミュニティ単位での課題解決能力の向上に向け、行政から自治会連合会エリアへの各種権限や機能移転、それに関わる財源の移管を目指します。また、その実現に必要な、市職員等の地域への配置や拠点機能の強化、および地域内の人材育成支援を進めます。
地域ごとの特性が生き(徳が発揮され)、そこに生まれ育つ人たちに郷土愛が育ち、知恵や力が拡大再生産されていく「地域づくり」を、しっかり支援します。
- ⒊ 協働での課題解決手法の確立
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地域に存在する様々な課題を解決していくためには、それぞれの分野や地域に精通した市民の皆さんと行政が共に力を合わせて取り組む、「協働」が不可欠です。これまでにも小田原では、地域福祉の分野における「ケアタウン構想」、地域総ぐるみでの子育てを目指す「スクールコミュニティ」、身近な自然環境に対する「環境再生プロジェクト」、生ゴミの地域内循環を目指す「いきごみプロジェクト」など、様々な分野での協働が、意欲的に進められてきました。
それらの多くは、現在モデル事業の段階にあり、導入地域も限られています。今後これらの取り組みを事業の完成型に育て上げると共に、市内全ての地域への導入を進めていきます。
- ⒋ 地域経済活性化の強力な推進
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持続可能な地域社会の成立には、安心・安全なまちづくりや仕組みづくりに加え、地域に根ざした十分な経済活動の存在が必須です。市民が力を発揮し、地域資源を活かすことが、地域の経済の力に直結し、更なる活性化を生み出す良循環の仕組みを創ることが必要です。
また、いわゆる生産世代、子育て世代、若者の定住増加が不可欠であり、そのためには地域での豊富な雇用の確保・創出が前提となります。
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年度に策定した「地域経済振興戦略ビジョン」などを共有、手付かずの、あるいは未活用の地域資源を、経済上の付加価値に仕立て直していきます。それにより、交流人口を大幅に増やし、経済の地域内循環と外部からの取り込みを促進、雇用を増やし、定住人口の獲得に繋げていきます。
- ⒌ 担い手の育成・確保の仕組みづくり
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「市民の力で未来を拓く希望のまち」の実現には、「新しい公共」の担い手である市民の力が必須です。しかし、様々な分野の市民活動にしても、地域でのまちづくりにしても、その担い手の不足や高齢化が深刻化しており、その確保・育成が急務となっています。
「新しい公共」の担い手を、より幅広い世代から確保すると共に、更に意欲的かつ質の高い取組みが可能となるよう、まちづくり・地域運営・市民活動などへの参加機会の拡大を進め、交流や学びへの支援を積極的に行います。
- ⒍ 子どもがしっかり育つまちづくり
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「新しい小田原」に向けての様々な仕組みづくり、課題解決の取り組み、目に見えるまちづくり、環境整備を進めるにあたって、そのあり方がそのまま、小田原の未来を担う子どもたちにとって、心身に大きな影響を与える生育環境となり、その中で育つ地域社会の雰囲気やルールとなり、自らの価値観を形成する基盤となることを、明確に意識する必要があります。
したがって、全ての作業は、「子どもたちがより健やかに、たくましく、生きる力と支えあう心を育ててゆくことに資するかどうか」という視点で、厳しく検証されながら進められるべきであり、今後の市政運営やまちづくりに欠くべからざる基準として掲げ、全市的に共有して行きます。
- ⒎ 行政職員・組織の進化
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市民の力・地域の力が遺憾なく発揮され、地域資源を十分に活かしたまちづくりや地域活性化を進めていくには、市役所職員の資質や能力の更なる向上が必要不可欠となります。限られた専門領域の職務を適切に遂行するだけでなく、市民や地域の現状と課題を注意深く観察し、意見に耳を傾け、参画を促し、的確にコーディネートやサポートを行いながら、小田原全体としてのパフォーマンスを高めていけるような、職員や組織の在り方が求められています。
そのような観点から、職員の資質や能力を鍛え、育てると共に、市民や地域と一体となって動いてゆけるよう、市役所の組織や機能の改善を随時行っていきます。

- 重要懸案事業の決着
- 平成20
年の市長就任以前からの懸案として存在した、小田原地下街・お城通り地区再開発・市民ホールの、いわゆる三大懸案事業については、それぞれの経緯や状況を踏まえ、十分な市民検討を経て、基本的な整備指針が定まり、事業が始まりつつあるなど、着実に段階を踏んできています。
地下街は25 年度に再開、お城通り地区再開発は26 年度に駐車棟供用、市民ホールは28
年度竣工とするスケジュールに沿って、財政負担の軽減と事業内容の適正化に十分に配慮しつつ、実現へと進めていきます。