市民の目線に立ち、市民が参画し、市民の期待を実現する、市政運営の仕組みを創ります。
【基本方針】
超高齢化と少子化が同時進行する日本の地方都市。小田原も例外ではありません。拡大する福祉・医療・地域振興などの多様で広汎なニーズに、行政サービスだけでの対応は困難です。納税者人口の減少による歳入減のなか、安心して暮らせる小田原を保持するには、市民自身が、地域の様々な社会的活動や公共サービスの担い手として、力を発揮すべき時代を迎えています。
これまでは、市役所が庁内で決定した方針に対し、市民の意見は求められるものの、それが実際に計画や政策に反映されない、というケースが少なくありませんでした。今後は、暮らしや経済の現場にいて様々な現実を日々実感している市民/地域住民の意見や願いをしっかりと汲み上げ、可能な限り市政の中に反映させる仕組みが必要です。市民の代表である市議会と共に、市民が意見を述べる機会の確保、政策に反映させる仕組みづくりを進めます。
【核となる取り組み】
地域運営協議会と、分野別市民会議の創設
市民の声がしっかりと地域運営に反映されるために、大きく分けて2つの仕組みを創ります。
⒈ 地域運営協議会の設置
小田原は、商店街、住宅街、農林水産業そして観光関連産業など、異なる地域性をもつ複数の地域から構成されています。地域の課題は、地域で生活や仕事をしている市民の皆さんが一番知っています。地域の皆さんが、その課題を共有し、解決に向けて知恵と力を出し合う場が必要です。
そのために、地域の中で活動されている様々な組織や団体(自治会、老人会、商店会、子ども会、育成会、神輿会、PTA、消防団、各種ボランティア団体、その他)が連携し、意見交換や交流から地域の課題を共有し、解決にむけた共同作業を行う母体として、「地域運営協議会」を立ち上げます。協議会の運営や活動には行政職員が全面的にバックアップし、必要な事業については予算的な支援を行います。導入の地域単位としては、原則として小学校区を想定しています。
⒉ 分野別の市民会議
小田原市全体に関わるような政策立案や計画づくりでは、現場に精通した市民意見を集めるために、「市民会議(ワーキンググループ)」を主要政策分野ごとに設置し、計画の段階で市民の意見反映や、市民感覚によるチェックを可能にします。議論は公開性を高め、その検討内容はHPに掲載します。
【重点政策】
市民ボランティア・NPO活動の支援強化と、ネットワークづくり
既に小田原では、ボランティアガイド協会や環境ボランティア、スクールボランティアなど、市民やNPOの自立的・主体的な地域活動が多様に展開し、 それらの尊い活動によって市民生活の豊かさや安全安心、また小田原を訪れる方たちへの便益供与が図られています。 それら各種の市民ボランティア・NPO活動への各種支援(公共施設の利用、広報活動の協力、活動費の支援など)を強化します。 また、それら諸活動の連絡体制を整え、現場活動に根ざした地域づくりへの情報共有と人的交流を進め、市民の力の更なるレベルアップを目指します。
市民活動サポートセンターの大幅拡充
現在市民会館に開設されている市民活動サポートセンターを、機能的にも空間的にも大幅に拡充し、小田原市内で活動している多様な市民活動の質と量に 相応しい内容を整えていきます。市民会館の建て直しを視野に、立地についてはよりアクセスの良い小田原駅周辺への移転を検討します。
地域内の多様な人材の、積極的な掘り起こしと育成、活用
小田原には、実に様々な技術や能力、職歴をもった方が暮らしていますが、その力を小田原全体の活性化に十分に活かせてはいません。 既に小田原市が取り組んでいる人材登録制度などを大幅に拡充し、地域に潜在している人材を掘り起こし、貴重なノウハウや能力を小田原のために活かして頂くよう、 仕組みづくりを進めます。特に、シニア人材の活性化に向け、地域に根ざした活躍の場づくりを進めます。
二宮尊徳が実践した「徳を活かす地域づくり」の推進
小田原が生んだ二宮尊徳は、地域社会再生の先達でありました。その手法の核心は、「すべての人やモノが持つ力、すなわち徳を引き出す」ことにあります。市の財政が厳しい中、小田原の活力を再生するべく、市民の能力や知恵を呼び覚ます「徳を活かす地域づくり」を市政運営の手法の中核に導入します。具体的には、市民や民間事業者による、優れた地域づくり活動や地域貢献などを顕彰すると共に、広報によって全市的な共有を積極的に進めます。それらを通じ、地域のために汗をかくことを惜しまない小田原の風土を育てます。
本格的市民参画による新総合計画づくり
現在の小田原市総合計画(ビジョン21)は平成22年度をもってその役目を終えます。そのあとの小田原のビジョンや道筋を決める、平成23年度以降への総合計画策定作業を、本格的な市民主体のプロセスにて進め、行政と市民とのコラボレーションの土台作りを行います。
「市民が主役」の市政原則を明確にする「自治基本条例」の制定
「自治基本条例」とは、まちづくりや行政運営において、その主権を市民が有し、市民の意思表示と具体的な参加によって地方自治を行うことを明確に謳う、いわば「新しい小田原」の憲法と呼ぶべきものです。これは既に地方自治体の標準装備となっています。市民・職員・議員・自治法専門家による検討会議を立ち上げ、新総合計画のスタートまでの制定を目指します。