目 次

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  • はじめに! 加藤けんいちより
  • 理念
  • 新しい小田原への3つの指針
  • マニフェストの全体像
  • 8つの分野における、基本方針と重点政策
    1. 市民の力を活かす市政
      市民の目線に立ち、市民が参画し、市民の期待を実現する、市政運営の仕組みを創ります。
    2. まちづくり
      豊かな自然と、歴史・文化の恵みを活かし、「小田原らしい品格のあるまち」「住みたいまち」「訪ねたいまち」を創ります。
    3. 地域経済
      民間の発想に立ち、地場産業力・商店街活力・観光力をしっかりと育て、地域経済の体質を強化して、小田原らしさ溢れる豊かな経済圏を創ります。
    4. 医療と福祉
      お年寄りから赤ちゃんまで、しっかり守り、笑顔でいのちを支え合える「ケアタウン」を創ります。
    5. 暮らしと防災・防犯
      市民が安全と安心を実感できる、持続可能な生活基盤づくりを急ぎます。
    6. 教育と文化
      幼児から、学校教育、そして生涯学習まで、恵まれた環境を十分に活かした、小田原ならではの質の高い教育風土を育てます。
    7. 自然環境
      私たちの生存を支え、健やかな暮らしの舞台となる、小田原の豊かな自然環境を、しっかりと守り育てます。
    8. 行財政改革
      「市民と職員が手をたずさえて、一緒に小田原を創る」市役所へ、改革を進めます。

     

  • 4つの重要課題への対応
    1. 小田原城周辺のまちづくりビジョン(城下町ホール、お城通り地区再開発、地下街)
    2. 地域医療体制の立て直し
    3. 財政再建への取り組み
    4. 広域合併への視座

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    加藤けんいちより

     一年を通して温暖で穏やかな気候、人が豊かに暮らすための自然環境、長い時間をかけて蓄積されてきた歴史と文化の営み、優れた技を受け継いできた地場産業、多様で活発な市民活動、年間数千万人を迎える国際的観光地の玄関口という立地、鉄道5線や高速道路の乗り入れ、全国的な知名度・・・。私たちが暮らすこの小田原とは、何と豊かな資源と可能性に恵まれた大地でしょう!日本中を探しても、これほどの条件を備えた地域はありません。
     本来であれば、その恵みによって私たち小田原市民は、他のどの地域よりも充実した生活や経済の営みを享受できるはず。しかし、実際には、小田原の現状や未来において、問題が山積し、不安が増しているというのが、市民の偽らざる実感ではないでしょうか。
     高齢者の皆さんの介護や医療を地域でどう支えていくのか。診療科の閉鎖などが相次ぐ市立病院の問題など地域医療をどう立て直すのか。地域を支えてきた自治会の皆さんが高齢化する中、地域コミュニティをどう維持してゆくのか。子どもたちは将来地域を担える人材としてしっかり育つのだろうか。地下街の閉鎖に象徴されるように、ズルズルと地盤沈下を続ける小田原の経済は立て直せるのか・・・。
     総額1500億円を越える膨大な借金、少子化・超高齢化に伴う税収減・歳出増の進行など、市の財政もたいへん難しい状況にあり、一歩間違えれば、夕張市のような事態を招きかねません。
    今こそ、それらの困難な状況を乗り越えるために、全ての市民が確かな意識を持ち、知恵と力を合わせて、真の意味で豊かに、安心して暮らすことの出来る、「新しい小田原」を創るときなのです。
     小田原に生まれ育ち、この地域を隅々まで歩き、地域の様々な仕事や暮らしの現場に精通し、様々な市民の活動の立ち上げに係ってきた経験が、私の財産です。市民が主役になった活力溢れる「新しい小田原」を創るために、若さと誠実さと実行力で、市民の皆さんと一緒に歩んでゆきます!

    理 念

    小田原の確かな未来のために

    自然環境、地理的条件、歴史的文化的風土、
    様々ななりわいや市民活動の蓄積.....。
     自然と調和し、人間らしく、ほんとうに豊かな暮らしを営むにおいて、これほど恵まれた素質を持つ地域は、地球上にそうたくさんはありません。
     小田原で生まれ育ち、大学と社会人の一時期を外で過ごし、外部の視点をもって小田原の暮らしや経済の様々な現場に係わって来た人間としての、これは実感です。
     しかし、残念ながら、「可能性」は現実にはなっていません。
    むしろ、自然の減少、農地や森の荒廃、身近な生活環境の悪化、
    なりわいの先細り、街の衰退、地域コミュニティの弱体化、
    子どもと地域の隔たり、人材流出、働く場の減少など、
    不安や閉塞感が地域の中に深く根を張っています。
     これからの時代を生きる若い世代や子どもたちに、地域をこのままの姿で引き渡すわけにはいきません。
    もっと素晴らしい小田原の姿を、創ることができるはずです。
     それが、私たちの世代の責任であり、使命です。
      ここに住みたい。
    ……ここに住んでいて良かった。
      ここで働きたい。
    ……ここで働いていて良かった。
      ここで学びたい。
    ……ここで学んでいて良かった。
      訪ねてみたい。
    ……きっと良いものに出会える。
     心の底から、そう思える小田原であってほしい。 それだけの可能性を、人に与えるものを、小田原は持っているのですから。
     人にとって、本当に大切なものを、しっかりと守り、育ててゆけるまち。
     自然と人、人と人とが生かし合い、支えあい、補い合い、永きにわたり安心して暮らしていけるまち。
     それが、小田原の目指すべき姿であると思います。
     各地で既に始まっているように、ここ小田原でも、現状を諦めることなく、新しい道を見出し、切り拓いていく知恵とエネルギーを集めるべき時が来ています。
     大地に立ち、理想を掲げることを臆せず、人間にとって本当に大切なものを、大切にしながら生きることができる地域の姿を、創っていきましょう。

    5つの基本理念

    【豊かな資源を活かす】
     自然・人・なりわい・文化など、既に小田原に存在する十分な「素材」を、丹念に見出し、その持てる価値と力を最大限に引き出すことが基本です。

    【「営み」をつくる】
     ハコモノやイベントではなく、地域内の暮らしや経済が生き生きと回る仕組やつながり合い(人間で言えば血流や気の巡りに相当)を大切に育てます。

    【市民が自治を行う】
     行政が進めるプロセスに市民が「参加」するというレベルを越え、市民が「主体」となり、権利と責任を持って実際の地域作りを担う方向に進めます。

    【持続可能である】
     地域を安全かつ健やかに保つ暮らしや経済の営みを、いつまでも続けていけるよう、環境面・社会面・経済面から検証し、またインフラを整備します。

    【透明性があり、開かれている】
     地域づくりに係わる意見交換や意思決定が、常にオープンな場で行われ、自由闊達に誰でも参加できるよう、地域内の雰囲気と仕組みをつくります。

    新しい小田原への3つの指針

    いのちを大切にする小田原へ

    1.「生活の安全・安心・充実を最優先する。」
    本格的な少子化・超高齢化社会を迎える前に、貴重な税金は、何よりもまず、福祉・医療・教育などの分野に手厚く配分、市民生活をしっかり支える態勢を確立します。

    希望と活力あふれる小田原を

    2.「地場産力と市民力で、まちを元気にする。」

    自然・歴史・文化・産業・人財など、小田原ほど地域を元気にできる素材に恵まれた地域はありません。それらの資源の力が十分に生かされた、活力溢れる小田原経済を育てます。

    市民が主役の小田原に

    3.「市民の声と願いを実現する市政をつくる。」
    地域を支え、地域を元気にする主役は、市民です。市民の考えや願い、希望がしっかり反映され、市民の持てる能力が十全に発揮される地域運営の仕組みを創りあげます。

    1.市民の力を活かす市政

    市民の目線に立ち、市民が参画し、市民の期待を実現する、市政運営の仕組みを創ります。

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    【基本方針】

     超高齢化と少子化が同時進行する日本の地方都市。小田原も例外ではありません。拡大する福祉・医療・地域振興などの多様で広汎なニーズに、行政サービスだけでの対応は困難です。納税者人口の減少による歳入減のなか、安心して暮らせる小田原を保持するには、市民自身が、地域の様々な社会的活動や公共サービスの担い手として、力を発揮すべき時代を迎えています。
     これまでは、市役所が庁内で決定した方針に対し、市民の意見は求められるものの、それが実際に計画や政策に反映されない、というケースが少なくありませんでした。今後は、暮らしや経済の現場にいて様々な現実を日々実感している市民/地域住民の意見や願いをしっかりと汲み上げ、可能な限り市政の中に反映させる仕組みが必要です。市民の代表である市議会と共に、市民が意見を述べる機会の確保、政策に反映させる仕組みづくりを進めます。

    【核となる取り組み】
    地域運営協議会と、分野別市民会議の創設
     

    市民の声がしっかりと地域運営に反映されるために、大きく分けて2つの仕組みを創ります。

    1.地域運営協議会の設置

     小田原は、商店街、住宅街、農林水産業そして観光関連産業など、異なる地域性をもつ複数の地域から構成されています。地域の課題は、地域で生活や仕事をしている市民の皆さんが一番知っています。地域の皆さんが、その課題を共有し、解決に向けて知恵と力を出し合う場が必要です。
     そのために、地域の中で活動されている様々な組織や団体(自治会、老人会、商店会、子ども会、育成会、神輿会、PTA、消防団、各種ボランティア団体、その他)が連携し、意見交換や交流から地域の課題を共有し、解決にむけた共同作業を行う母体として、「地域運営協議会」を立ち上げます。協議会の運営や活動には行政職員が全面的にバックアップし、必要な事業については予算的な支援を行います。導入の地域単位としては、原則として小学校区を想定しています。

    2.分野別の市民会議

     小田原市全体に関わるような政策立案や計画づくりでは、現場に精通した市民意見を集めるために、「市民会議(ワーキンググループ)」を主要政策分野ごとに設置し、計画の段階で市民の意見反映や、市民感覚によるチェックを可能にします。議論は公開性を高め、その検討内容はHPに掲載します。

    【重点政策】
    ☆市民ボランティア・NPO活動の支援強化と、ネットワークづくり

     既に小田原では、ボランティアガイド協会や環境ボランティア、スクールボランティアなど、市民やNPOの自立的・主体的な地域活動が多様に展開し、 それらの尊い活動によって市民生活の豊かさや安全安心、また小田原を訪れる方たちへの便益供与が図られています。 それら各種の市民ボランティア・NPO活動への各種支援(公共施設の利用、広報活動の協力、活動費の支援など)を強化します。 また、それら諸活動の連絡体制を整え、現場活動に根ざした地域づくりへの情報共有と人的交流を進め、市民の力の更なるレベルアップを目指します。

    ☆市民活動サポートセンターの大幅拡充

     現在市民会館に開設されている市民活動サポートセンターを、機能的にも空間的にも大幅に拡充し、小田原市内で活動している多様な市民活動の質と量に 相応しい内容を整えていきます。市民会館の建て直しを視野に、立地についてはよりアクセスの良い小田原駅周辺への移転を検討します。

    ☆地域内の多様な人材の、積極的な掘り起こしと育成、活用

     小田原には、実に様々な技術や能力、職歴をもった方が暮らしていますが、その力を小田原全体の活性化に十分に活かせてはいません。 既に小田原市が取り組んでいる人材登録制度などを大幅に拡充し、地域に潜在している人材を掘り起こし、貴重なノウハウや能力を小田原のために活かして頂くよう、 仕組みづくりを進めます。特に、シニア人材の活性化に向け、地域に根ざした活躍の場づくりを進めます。

    ☆二宮尊徳が実践した「徳を活かす地域づくり」の推進

     小田原が生んだ二宮尊徳は、地域社会再生の先達でありました。その手法の核心は、「すべての人やモノが持つ力、すなわち徳を引き出す」ことにあります。市の財政が厳しい中、小田原の活力を再生するべく、市民の能力や知恵を呼び覚ます「徳を活かす地域づくり」を市政運営の手法の中核に導入します。具体的には、市民や民間事業者による、優れた地域づくり活動や地域貢献などを顕彰すると共に、広報によって全市的な共有を積極的に進めます。それらを通じ、地域のために汗をかくことを惜しまない小田原の風土を育てます。

    ☆本格的市民参画による新総合計画づくり
     現在の小田原市総合計画(ビジョン21)は平成22年度をもってその役目を終えます。そのあとの小田原のビジョンや道筋を決める、平成23年度以降への総合計画策定作業を、本格的な市民主体のプロセスにて進め、行政と市民とのコラボレーションの土台作りを行います。

    ☆「市民が主役」の市政原則を明確にする「自治基本条例」の制定

     「自治基本条例」とは、まちづくりや行政運営において、その主権を市民が有し、市民の意思表示と具体的な参加によって地方自治を行うことを明確に謳う、いわば「新しい小田原」の憲法と呼ぶべきものです。これは既に地方自治体の標準装備となっています。市民・職員・議員・自治法専門家による検討会議を立ち上げ、新総合計画のスタートまでの制定を目指します。

    2.まちづくり

    豊かな自然と、歴史・文化の恵みを活かし、「小田原らしい品格のあるまち」「住みたいまち」「訪ねたいまち」を創ります。

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    【基本方針】

     恵まれた地勢と自然環境の中、古(いにしえ)よりの歴史の積み重ねが厚く堆積し、その中で多様な産業や文化を育み、有形無形の資源を豊富に蓄えている小田原。しかし、その蓄積が現代のまちづくりや都市計画の中で十分に活かされていないことは、実にもったいないことです。それらの資源が十分に活かされた「品格のあるまち」を創ること、そして景観を整え歴史を復元するにとどまらず、今を生きる私たちが満足できる環境と機能を有した、「生きているまち」を創ることが大切です。同時に、多くの来訪客を迎え入れることによる消費の拡大が小田原の経済再生にとって不可欠である以上、来訪者に喜んで頂けるまちづくりが必須です。それらが実現できれば、この小田原は全国から来訪客の絶えない、実に魅力的な地域として生まれ変わることでしょう。
     とりわけ、交通ターミナルであり、小田原の顔となる、小田原駅とお城周辺のまちづくりについては、長期的な展望に基づく十分な配慮が必要です。

    【核となる取り組み】
    地域ごとのまちづくり計画(まちづくりグランドデザイン)の策定

     小田原は、地域特性の異なる複数の地域から成り立っています。城下町の格式とたたずまいを残すお城周辺地域、宿場町の名残りと水産加工業の賑わいが息づく浜町地域、社寺仏閣や文化遺産の点在する落ち着いた風情の板橋地域、政財界元勲の別邸が点在し海岸から蜜柑畑までが重層する国府津地域、奈良時代からの歴史を誇る農業と景勝と文化の地・下曽我地区、二宮尊徳の生家を中心に豊かな田園地帯を擁し水が巡る桜井地域、東洋のリビエラと称される海岸線と傾斜地農業をもつ片浦地域、独立した地勢の中、農業と地場密着の商工業が盛んな橘地域、高密度の住宅街の中に商業施設が集積し小田原の消費の中心となった川東地域・・・。この他にも、早川、風祭・入生田、荻窪・久野、富水、山王など、小田原は実に多様な顔を持っています。
     これまで小田原では、それぞれの地域が直面する状況や課題、地域に暮らす市民の声を反映した、個別のまちづくり計画は、論じられることはあっても具体的な着手は行われてきませんでした。それ故に、それぞれの地域において何を大切にし、何を守り、何を育てるのか、ビジョンが明確になっていません。  地域単位(小学校区など)ごとに、当該地域住民の全面的な参加を基本に、地域特性に応じた中長期の街づくり計画を、市民と行政が一緒になって策定をしてゆきます。小田原全体としての多様性とバランス、そして個々の地域の価値と魅力を最大限引き出してゆきます。このことを通じ、それぞれの地域に生まれ育つ市民が、自分の地域の特色や魅力を十分に知り、郷土への愛着と誇りを育てていきます。

    【重点政策】
    ☆「まちづくり会社」による、新しい中心市街地づくり

     衰退傾向の続く小田原駅周辺のいわゆる中心市街地は、かつてのような商業の町としての再生にこだわらず、小田原駅とお城エリアに至近の立地を活かした、新たな価値を持つ町としての創造を目指します。商店街再開発で成功している高松市丸亀町商店街などの手法に学びながら、意欲ある商店主らを核にした「まちづくり会社」の設立を支援、中心市街地エリアの未利用地や空き店舗などをトータルなまちづくりのビジョンの中で生かし、町全体を一体感ある回遊性の高い町として創りこみます。新たな価値の中心となるのは「文化と交流」であり、小田原の地場産業や工芸の流れを汲む「ものづくり」「デザイン」「アート」といった分野の育成を進めます。

    ☆市内各地区の商店街を、徒歩生活圏のコミュニティの核として再生

     国府津、下曽我、富水、栢山、井細田、南町、板橋、早川など、市内各地に点在しかつては地域生活の消費拠点として賑わった商店街が、今は大型商業施設への依存の陰で、その存在感を失いつつあります。しかし、これからの超高齢化社会を展望するとき、徒歩生活圏にこそ、暮らしを支える必要な機能の配置が求められます。各既存商店街の空き店舗などを活用し、託児・配食施設・児童館・シニアサロンなどの公共機能(住民の自主運営)開設を支援、徒歩生活圏の核として商店街を再生します。

    ☆ウォーキングタウンとしての小田原へ

     小田原は、それぞれの地区に魅力的な自然環境・歴史・文化・街並み・地場産業などが点在し、訪ねて回るポイントには事欠きません。実際、小田原駅には連日シニア層のウォーカーが大勢訪れていますが、ウォーキングを楽しむための地域の受け入れ体制は、課題が多く残っています。また、ウォーキングは、市民にとっても健康増進を兼ねた日常的な楽しみであり、多くの愛好者が小田原にも存在します。  「ウォーキングタウン・小田原」に向け、各種整備に本格的に取り組みます。様々なスポットをつなぐウォーキングトレイルの整備やマップ作り、ガイド表示や休憩ポイントの情報提供、また来訪者にとっての拠点となるターミナル駅でのガイド機能整備など、ウォーキンOを十分に楽しみ、また何度も訪れたくなる街づくりを進めます。

    ☆潤いと安らぎのある住空間づくり

     市民にとって最も重要なのは、日々暮らしている住宅街の環境の豊かさです。小田原では、住宅街の公園が少ない、住宅街を流れる水路などの環境状態がよくない、開発によって身近な緑地は減少傾向にあるなど、ともすれば住環境が貧しくなる傾向があります。
      公園や緑地の整備拡充、鎮守の森の保全、海・河川・用水を活かした親水空間の整備など、住宅街区内の環境整備を進めます。また、自宅の植え込みや庭を植栽で美しく整備し、来訪者や通行者に楽しんでもらう、住民参加型の主体的な取り組みである「オープンガーデン」(小布施町などが有名)を支援、潤いと安らぎのある市街地・住宅街づくりを進めます。

    ☆中低層主体の都市景観を整備、住民による地区ルールづくりを支援

     知らぬ間に進むマンション計画や出店計画などにより、住民の願いとは異なるまちづくりが進み、住環境が大きく変わってしまうことがあります。その地域に相応しい、住民にとって望ましい住環境や街並みを保全してゆく上で、地域住民が主体となってまちづくりのルールを決める「地区計画」などの手法が有効です。それぞれの地域にお住まいの皆さんが主体的に策定するルール作りを、市として積極的に支援します。また、小田原らしい景観を守るために、既存の高度地区計画の手直しも含め、中低層主体の都市景観保全に必要な制度的対応を強化します。

    ☆競輪事業の段階的撤退に向けての検討開始

     長年にわたり事業収益によって市の財政を支えてきた競輪事業ですが、観客の著しい減少、事業収益性の低下など、その歴史的な役割を終えており、数年のうちに単年度収益は赤字となる可能性が大です。小田原らしさの源泉となっているお城周辺の文教地区の核心部という立地に適した、競輪事業に替わる新たな土地活用と事業計画推進に向け、段階的撤退と跡地の有効活用についての検討を開始します。

    3.地域経済

    民間の発想に立ち、地場産業力・商店街活力・観光力をしっかりと育て、地域経済の体質を強化して、小田原らしさ溢れる豊かな経済圏を創ります。

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    【基本方針】

     小田原は、自然環境や歴史・文化の蓄積、多彩な地場産業など豊富な地域資源に恵まれています。年間数千万人を迎える国際観光地を背にし、首都圏での立地と交通条件は抜群の環境にあります。日本全国を見渡しても類を見ないほどの可能性がギッシリ詰まった地域です。それらを活かせば、地域経済は十分に活力を取り戻すことが可能です。
     まずは、たくさんの人に訪れてもらえる地域の「しつらえ」を整えること。たくさんの来訪者の消費によって、商いが元気となり、関連するものづくりが元気となり、さらには素材を納める農林漁業が元気となる、そのシナリオが基本です。小田原の豊かで暮らしやすい地域イメージを育てることで、定住希望者を招き入れることが可能です。また、小田原経済の背骨となる「ものづくり」を全面に出し、ブランドイメージを構築することで、小田原の事業者の活動をバックアップし、新たな参入者を迎えることもできます。
     民間事業者の視点とノウハウを本格的に導入し、地域資源を十分に活かす「小田原経済の新時代」への体制づくりを進めます。

    【核となる取り組み】
    地域資源を活かした交流人口拡大プロジェクト

     既にある地域資源に手をかけることで、小田原の魅力を売り出せるエリアは、小田原に幾つも存在します。地域の物語を掘り起こし、訪問ポイントを設定し、ターミナルからその場所に至るルートを複数設定、その途上にある商店や飲食店と連携を図り、鉄道各社にPRでの協力を要請しながら、エリアとして来訪者を大切にもてなしてゆくことができれば、年間で相当の来訪客を迎えることができます。
     各地域の商店会や商工会、ボランティアガイド団体、自治会などが連携をとり、各地域で可能な「もてなしと交流のプラン」を作ること、およびその実現に、行政は研究活動や事業化への支援と協力を全面的に行います。
    具体的な取り組みとして、例えば、以下のエリアと内容が考えられます。

    1. 浜町・本町・南町・板橋:城下町と宿場町の名残を活かす
    2. 南町~城山:白秋や透谷など文学遺産を活かす
    3. 早川~石橋・米神~江之浦:柑橘系農園のある第一級の景勝地を活かす
    4. 下曽我の台地~曽我丘陵:曽我氏の伝説や文学遺産を活かす
    5. 国府津~前川:明治大正の重鎮たちの別邸群を活かす
    6. 富水・栢山:二宮尊徳の生誕地と水資源を活かす
    7. 風祭・入生田:稲葉家史跡と街道の佇まいを活かす
    8. 橘:伝統芸能と農村景観、起伏に富む地勢を活かす
    【重点政策】
    ☆優れた小田原物産のブランド化と消費拠点づくり

     木工品、寄木、漆器、鋳物、陶磁器、染物、刺繍、食材、加工食品、工芸品など、小田原が誇る卓越した技術による各種物産を、従来の「お土産品」のイメージを越えてブランド化し、世界的に通用する産業製品として本格的にPR、消費の拡大を支援します。また、それらの物産を展示すると共に購入して頂けるような消費拠点を小田原城周辺に設置し、観光客の回遊ルートの核に据えます。

    ☆「ものづくりのまち・小田原」の確立による地域事業者支援

     小田原では、その分野でトップシェアを誇る企業、あるいは優れた先端技術が業界から高く評価されている企業が、市民にはあまり知られることなく活動しています。他には真似のできない卓越した技術をもつ職人さんも数多くいます。これらの存在は小田原市民の誇りです。このような事業者や職人さんをしっかりと顕彰・PRして小田原の高い技術イメージを定着させて活動支援をするとともに、「優れたものづくりを育てる町・小田原」としての地位を築き、地域外からの事業者の参入を促していきます。

    ☆優れた職住環境を活かした、高技術あるいは高付加価値の企業誘致

     「小田原で生活し、小田原で基本的な業務をこなしながら、必要に応じて東京や横浜に出る」というライフスタイルは、生活の質的な豊かさを重視するこれからの時代、とりわけ子育て世代の事業家にとっては魅力的に受け止められるはずです。これから起業する事業家、あるいは成長株の企業、中小規模ながら高い収益性と成長性をもつ企業などをターゲットに小田原への誘致を進め、将来の小田原の地域経済の担い手を獲得していきます。

    ☆「安全な食材を地産地消できる地域」としてのブランドづくり

     中国製餃子の問題に象徴される食への関心が高まる中、豊かな自然に裏付けられた食料生産力とブランドイメージを育てることは、地域経済にとって大きな優位性となります。安全で美味しい小田原の農産物を育てます。一昨年国会で成立した有機農業推進法に沿って、有機農業推進モデル地域の指定を受け、多様な担い手の参加による農地保全、小流通システムや直売所の設置、学校給食へ地場食材供給などに本格的に取り組み、農業ビジネス及び関連する外食産業などへの経済効果波及を目指します。

    ☆地場水産業の振興と水産食文化の更なる観光資源化

     「小田原といえば魚が美味い」という都市イメージを裏切ることのない、鮮魚および水産加工品が豊かに消費できるまちづくりを目指します。地場漁業への積極的支援による漁獲高の向上、地域内小売店及び飲食店における地魚の消費拡大、小田原の基幹産業である水産加工業の更なる振興などに取り組みます。また、整備の進む小田原漁港エリア(早川)の、観光拠点としての整備を進めます。

    ☆住宅建築などにおける「小田原スタイル」のブランド化

     「温暖な気候・自然環境が豊か・歴史と文化の薫るまち・ものづくりの技が生きるまち」といった、小田原の優れた地域イメージを全面に出し、地場の材料・地場の職人による、小田原の気候に適した家づくりのスタイルを「小田原スタイル」などとしてブランド化します。このスタイルの建築を実施することに対する助成措置などを設け、地域内の建設投資が地場に還流するよう導きます。

    ☆地産地消の推進による地域内経済の拡大

     日用品にしても食料品にしても、私たちはそのかなり多くを、小田原以外から商品を仕入れ、小田原以外から原材料の供給を受けています。地域内で生産される原材料・商品・サービスを、まずは地域で出来るだけ消費することが、関連する地域事業者の業績拡大に結び付き、小田原市の租税収入にも繋がります。地域内生産者や事業者の商品・サービスについての情報発信や、市民との交流・連携の場づくりなど、地産地消の拡大と定着に、地域を挙げて取り組みます。

    4.医療と福祉

    お年寄りから赤ちゃんまでしっかりと守り、笑顔でいのちを支え合える「ケアタウン」を創ります。

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    【基本方針】

     市民生活の安心を支える上で、地域の医療と福祉は、まさに生命にかかわる分野であり、様々な市政課題の中でも最優先に取り組まれるべきものです。市立病院の経営危機は、緊急で重大な問題です。また、社会的に弱い立場の方々を地域で支える仕組みの未熟は、見過ごすことはできません。
     少子化社会・超高齢化社会が進行する今、厳しい財政事情であっても、手厚くこの分野に資源を投下し、安心して暮らすことの出来る小田原の基盤をつくる必要があります。全ての市民が安心して暮らせる、お互いに支えあう心と仕組みを備えた「ケアタウン」を創ります。

    【核となる取り組み】
    地域包括支援体制の拡充を柱とした、ケアタウン構想

     地域の中には、介護や看護を必要とする高齢者の皆さん、障がいを持っている方々、核家族世帯で子育てに取り組むお母さんたち、そして大人の愛情と見守りを必要とする子どもたちなど、社会的に支えてゆくことが必要な方々がいます。これまでは、それぞれに対応する行政窓口は「高齢介護課」「障害福祉課(その中でも知的・身体・精神に分かれる)、「子育て支援課」など、いわゆるタテ割り機構の中で分かれており、現場での取り組みも横に繋がることはほとんどありません。
     今、市内には「地域包括支援センター」が設置され、主に高齢者の介護予防の分野で活動が行われています。このセンターを、高齢者も、障がい者も、子育て中の親も、子どもたちも、「地域で生活し何らかのケアを必要とする人たちを包括的に支援するセンター」として、包括的にフォローしてゆく機能へと拡充します。現在の5地域体制から、少なくとも中学校区に設置し、いずれは小学校区単位への展開を目指します。スタッフの中核は市職員が担います。このセンターを拠点に、地域内の様々な施設やケアサービス、あるいは民間の地域活動をつないだ、社会的に弱い立場の方々をしっかり支えてゆける地域の仕組み、それが「ケアタウン」です。
     現在、厚生労働省においても、中学校区を単位としたトータルな生活支援機能の整備がモデル事業として全国で進められています。「ケアタウン」の仕組みづくりを進めることで、「顔の見える地域」「思いやりや支え合いの心が溢れる地域」を育てます。

    【重点政策】
    ☆地域医療体制の安定化

     全国的な医師不足・看護師不足の中、市民の生命を守るための基幹病院であるべき市立病院で、幾つもの診療科の休診や閉鎖が起きています。市立病院としての信頼性は大きく揺らいでおり、人材面・経営面双方からの立て直しが急務です。
     地域の民間医療機関と十分な連携を取り、初期医療は原則として身近な「かかりつけ医」を利用し、急性期医療・高度医療・救命救急医療などを市立病院が専門的に引き受け、長期的な医療と療養は民間の総合病院に委ねてゆくなど、地域内医療機関の分担と連携によって、小田原としての安定した医療体制を構築します。

    ☆安心して子どもを生み育てることができる体制作り

     現在、小田原市内で分娩を取り扱っている産科は、市立病院を含めて4箇所しかありません。里帰り分娩もできない可能性があるなど、小田原でお産ができなくなる状況が進行しています。安心して妊娠が出来るための産前・産後の支援体制づくりが急務です。
     妊娠への備えとして、いのちの大切さや、母体に関する知識を伝える教育プログラムの充実、妊娠した場合に様々な相談が出来る官民の支援サービスの紹介、妊婦が気兼ねなく参加できるコミュニケーションの場、産後の相談窓口、子育て支援センターの増設(最低でも中学校区に1箇所)など、妊娠から子育てに至るまで一貫した支援体制作りとネットワークの充実を目指します。
     また、助産師で対応できる助産院を市立病院内に開設し、地域全体での分娩の対応能力を高めるよう、仕組みとネットワークを形成します。また、助産師の養成を進めるよう、地域内の看護学校などとの連携を進めます。

    ☆在地域・在宅ケアを支える体制作りと人材育成支援

     介護保険会計が厳しい状況の中、国は特別養護老人ホームや病院の長期療養入院床の総数を増やさない方向へ政策転換をします。介護が必要な高齢者は、可能な限り地域で、あるいはご自宅で暮らすことになりますが、それを支える在宅対応の介護・看護・医療を担う人材がまだ足りません。
     民間の事業者や、地域の医療機関・看護学校などと密接に連携をとり、地域や在宅でのケアを担う人材の育成に行政としても支援を行います。事業的に難しいといわれる24時間対応の訪問看護・介護・往診などに取り組む事業者へも、特に支援を進めます。また、各種生活支援サービスの充実に向け、地域住民らによる有償ボランティアなどの活動への支援・協力を行います。

    ☆障がいがあっても安心して育ち暮らしてゆける受け皿づくり

     保育園から中学まで可能な限り普通級で友達と一緒に過ごせる受け入れ態勢づくり、下校後の地域での滞在場所の確保、学齢期終了後の地域での就労トレーニングや生活支援の受け皿づくり、就労受け入れに対する地域事業所の協力体制づくり、保護者を含め十分な相談に応じる相談窓口の拡充など、障がいをもつ当事者やご家族を支える体制の整備を進めます。既存ケアサービスの施設や人員を現場で有効に共有すべく、障がい3分野の統合的な運営、および高齢者介護部門との連携を行います。
    また、神奈川県の協力を仰ぎ、県西地域には設置されていない「療育センター」(障がいを持つ人たちへの各種支援を行う機関)の設置を目指します。

    ☆地域におけるシニアの活躍の場づくり

     元気に高齢期を過ごして頂くには、何といっても現役として地域や様々な現場で、役割を持って活動し続けて頂くことが一番です。各種サービスの受け手ではなく供給者として、シニア世代が活躍する仕組みを、地域の様々な分野で創ります。豊富な経験と能力を、地域の財産として活かして頂きます。

    5.暮らしと防災・防犯

    市民が安全と安心を実感できる、持続可能な生活基盤づくりを急ぎます。

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    【基本方針】

     私たちが毎日を安心して暮らせる。それは、安全、安心なまちであることです。地震や火災などに強いまち。犯罪対策がしっかりと出来ているまち。お年寄や幼児、子どもなど社会的に弱い立場の人たちが市民と行政とのつながりで安全に守られているまち。そんな理想的なまちが求められています。
     特に、いつ来てもおかしくない大地震への備えは、私たち小田原市民にとって、決して避けて通ることの出来ない最重要課題。地域ぐるみでの防災体制づくりが急務ですが、そのことは、顔の見える関係作りなどを通じて、地域の防犯体制づくりとも密接に連動していきます。そのような地域体制作りを重点的に進めます。
     また、3年前に発生した上水道送水管の劣化破損に伴う1週間の断水は、目に見えないところで私たちのライフラインが劣化していることをまざまざと見せ付けました。このような分野に対しての未然の処置が急務です。ゴミ処理体制の適正化や、市民生活に密着した道路の安全確保などにも、着実に取り組んでいきます。

    【核となる取り組み】
    災害に強い地域コミュニティの育成

     大震災が発生すれば、被害は市内の至るところで起きますが、限られた消防車や市職員にできることはごく限られています。死傷者の発生や類焼による被害拡大を抑えられるかどうかは、震災発生直後、隣近所単位での救命救急活動や初期消火の活動がどれくらいできるかに、大きく依存します。隣近所に誰が住んでいるか、高齢者や独居の方、小さな子ども、障がいを持った方々など、いわゆる災害弱者の安否確認や救出活動、更には消火活動を、地域住民の力で出来ることが必要です。
     まずは、自治会を構成する「組」単位などで、顔の見える関係を確立し、さらにはいざというときの大まかな役割分担、それを可能にするコミュニケーションを、日常的に形成することが望まれます。また、地震だけでなく火災発生時や風水害、断水時などにも、この身近な地域コミュニティの存在が被害の軽重を決めることになります。消防活動も、各地域の消防団との連携を図り、市民による消防ができるようトレーニングを積むことが必要です。
     それらに対応できる、地域(自治会ないしは「組」)単位での災害対応能力の向上を目指し、「災害に強いコミュニティづくり」の活動を支援します。

    【重点政策】
    ☆実効性を重視した被災時の地域体制づくり

     小田原が大震災に襲われた場合、被害状況は阪神淡路大震災のそれに近い状況となることが予想されます。空地が少ない住宅街での被害集中、不十分な広域避難所のスペース、仮設住宅用地の少なさ、救援物資の補給路となる地域外からの交通経路が遮断される可能性、劣化したライフラインの断裂、市職員自身の被災など、最悪の事態を想定しながら、それでも対処できる被災後の復旧計画を作る必要があります。過去の大地震における被災地での実際などを十分に検証し、指揮系統の中枢となる市役所機能の補完を担う外部団体との連携、現実的な住民避難計画、被災後3日間の生活物資や水の確保策、外部からの救援(人と物資)受け入れ態勢、仮設住宅要地の確保などを至急に検討し計画化します。

    ☆公共建造物や危険箇所における防災対策の徹底

     防災本部となる市庁舎や広域避難所となる小中学校、あるいは各地域の公民館をはじめ、災害発生時の市民生活を支える拠点となるべき公共建造物の耐震補強を進めるとともに、人口密集地や市街地に存在する民間建造物で危険性のみられるものについては耐震補強への指導を強化します。また、急傾斜地の崩落対策はもちろんのこと、高潮への対策についても現場踏査を踏まえ対処していきます。

    ☆地域コミュニティ単位での防犯体制づくりへの支援

     実現性があり最も効果的な防犯体制は、地域コミュニティがしっかりと「顔の見える関係」を築き上げることです。昨今の子ども巻き込んだ犯罪の多発をキッカケに、市内でもたくさんの地域で育成会や自治会などを主体とした自主防犯活動が生まれています。その動きを行政としてもしっかりと支え、地域内の多くの住民が参加する地域防犯体制へと発展することを、人的・財政的に支援します。

    ☆上下水道幹線の劣化調査など、ライフラインの総点検

     劣化の進む上下水道の幹線の存在は、大地震の発生時には市内複数箇所での破損となり、長期間にわたり市民生活に甚大な影響を及ぼします。早急に、埋設された幹線の腐食や劣化についての調査を進め、優先順位をつけながらライフラインの更新を進めます。

    ☆生ゴミ堆肥化など、「ゴミ」の地域内循環への取り組み

     小田原市内では年間8万トンの廃棄物が発生しています。資源化率は年々高まっていますが、焼却処分によって発生する焼却灰は年間7千トンを越え、その多くは地域外に持ち出され埋め立て処分となるなど、地域で発生する廃棄物を地域内で処理できていません。燃せるゴミの半分近くを占める生ゴミ系の廃棄物を堆肥化し地域農業の資材として循環させるなど、廃棄物処理の地域内処理と循環作りを進めます。また、ゴミの収集・分別・循環・再利用のサイクルに環境教育の視点を持ち込むなどしながら、市民の関心を高め、ゴミの少ないライフスタイルの拡大を目指します。

    ☆狭隘(きょうあい)道路の拡幅事業の推進

     市内の住宅地には、救急車や消防車の進入が困難な狭隘道路が、まだかなり存在しています。地域の実状を十分に踏まえ、火災発生や救命救急のために必要な進入路の確保を、緊急度の高い地域から順次進めていきます。

    ☆「生活安全対策基本条例」の制定

     食の安全、交通事故対策、防犯対策、防災対策など、広範な領域にわたる「生活の安全」への地域としての指針を明示する、全国初の条例の制定を目指します。

    6.教育と文化

    幼児から、学校教育、そして生涯学習まで、恵まれた環境を十分に活かし、小田原ならではの質の高い教育風土を育てます。

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    【基本方針】

     少子化社会の進行で若者世代が減少してゆく中、小田原で生まれ育つ子どもたちの存在は、まさに小田原の未来そのものです。これまで、小田原市の人口当たり教育費は同規模の自治体と比べ低くなっています。厳しい時代だからこそ、未来を担う人材の育成には、しっかりと投資を行うべきです。将来の小田原を担うべき人材として、小田原に対する愛郷心を育て、市民が主体の小田原を担う社会規範を育てるべく、しっかりとした教育の仕組みづくりが必要です。家庭、学校、地域のそれぞれが果たすべき役割をしっかりと位置づけ、お互いに連携を取って、地域総ぐるみでの人づくりを進めていきます。
     「子育てするなら、小田原だよね!」と言われるような、教育立市を目指します。

    【核となる取り組み】
    スクールコミュニティづくり

     学校には学校にしかできないこと、家庭がしなければいけないこと、それぞれがあります。でも、地域社会全体で、子どもたちを見守り、未来を担う人材として、愛し育ててゆく器作りが必要です。
     小学校区を基本単位にし、学校を核として、学区内の様々な団体や活動(※)を、「子どもの健全育成」という重要テーマに基づいてネットワーク化します。情報を共有するとともに、様々な活動をお互いに開きあいながら、子どもたちや、その親の世代も含んだ協働を展開します。核家族の中で不足しがちな他世代との交流や、地域社会の現場を介した総合的学習や体験などを子どもたちに提供し、社会的な力を育てます。その中で、地域全体が自分を見守ってくれているという、故郷への愛着を育ててゆきます。
     そのような、子どもの学びと育ちを核にした地域コミュニティの姿を、「スクールコミュニティ」として位置づけ、その形成や活動の充実に行政としても人的・財政的に支援を行ってゆきます。
    ※自治会、老人会、商店会、子ども会、育成会、消防団、公民館、各種サークル、PTAなどが、地域横断的に連携を図ります。取りまとめを行う事務局の人材を育てますが、当面は市職員がその立ち上げに関わります。

    【重点政策】
    ☆小田原独自の学習プログラムづくり

     小田原には、自然環境や歴史文化など素晴らしい教育環境と、二宮尊徳や北原白秋など学ぶべき多くの先達に恵まれています。それを活かした、小田原ならではの教育体系を構築していきます。郷土を知り、いのちの大切さや社会規範をしっかりと伝えて、日本の未来を支える人材の育成を目指します。
     特に、豊富な自然のフィールドを活かした環境教育の充実、多様な地場産業を活かした職業教育の展開、小田原に厚く蓄積している文化資産を活かしての文化教育などに、小田原ならではの独自性を発揮し、小田原市民であることの誇りを子どもたちに伝えます。

    ☆教育現場の裁量権尊重と、教育に専念できる環境の整備

     イキイキとした教育現場を実現するために、各校独自の工夫や活動に対する裁量をできるだけ確保し、学校長以下現場の教職員の意見や提案を可能な限り反映する教育行政を展開します。これまで削減傾向にあった学校施設整備費など校長裁量になる予算枠の拡大を進めます。また、教育現場で発生する様々な問題解決の受け皿として退職教員を活用し、現場教員は教育に専念できる環境を作ります。

    ☆通学区単位での子どもの居場所づくり(児童館、小図書館 等)

     地域にある公民館や空き家、空き店舗などを活用して、現在小田原にはない児童館(東京や横浜には下校後の子どもたちが地域の人たちの見守る中で自由に遊んだり学習したりできる居場所があります)を地域での開設を支援します。子どもたちの居場所をきめ細かに確保すると共に、大人と子どものふれあいの場作りを進めます。児童館の内容として、個人の蔵書などを持ち寄っての地域文庫の開設なども推奨します。

    ☆迷える若者の自立支援活動の推進と拠点作り

     引きこもりやニートなどの若者が、自分を取り戻し地域の中で居場所や生き方を見つけてゆけるよう、民間教育団体や地域内事業所との連携で、自立支援や職業教育のための活動や拠点整備を支援します。

    ☆「生涯学習のメッカ」としてのまちづくり

     シルバー大学をはじめとして小田原には様々な生涯学習の場が設けられています。それを更に充実させ、生涯学習のメッカとしてのまちづくりを進めます。既存大学の社会人向けエクステンションセンターなどの誘致などを視野に、首都圏からも集客できる生涯学習や生涯現役のためのソフトの編成と集積を目指します。

    ☆市民の芸術文化創造活動の活性化への支援

     小田原には、音楽・舞台・美術の分野で長い活動暦を誇る、優れた芸術文化活動が多数存在しています。これは他地域にはない小田原の誇りであり資産です。その裾野を更に拡げ、担い手を育成するために、芸術文化振興に取り組む市民活動をしっかりと支援します。取り組みを本格化するために、専門能力を持つ市職員を養成、確保します。
     市民による芸術文化活動の拠点として、新しい市民ホールを明確に位置づけ、全市的に芸術文化分野の育成を図ります。

    ☆史跡文化財整備の推進と、学術文化交流への支援

     小田原のまちづくりの中心に存在してきた、小田原城址。その史跡文化財の整備を、引き続き進めていきます。特に、大外郭遺構の整備と保全を進め、誇れる城下町の全容を街づくりに活かしていきます。また、報徳思想をはじめ、小田原にゆかりのある哲学・文学・芸術・研究などを顕彰し、それに伴う内外との学術文化交流を積極的に支援、小田原ならではの貴重な財産とします。

    7.自然環境

    私たちの生存を支え、健やかな暮らしの舞台となる、小田原の豊かな自然環境を、しっかりと守り育てます。

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    【基本方針】

     地球規模の気候変動や食糧需給状況の変化が起こりうる状況にあって、地域の自然環境は、私たちの「生存」を支える最も基礎的な装置として、しっかりと守り育てておかなくてはなりません。具体的には、水・空気・食料・エネルギーを生み出す働きを最大化することです。また、人としての健やかな暮らしに不可欠な住環境としても、多様な生命を大切にする子どもたちが育つ教育環境としても、更には外から見たときの地域の魅力の源泉としても、豊かで健康な自然環境は、欠くことのできないものです。人が人として豊かに生きることを支える、小田原の豊かな自然環境を、地域を挙げて守り育てることが必要です。

    【核となる取り組み】
    市民による環境再生プロジェクト

     私たちにとってなくてはならない自然環境を守り育てるために、市民にも出来ることがたくさんあります。身近な河川や水路の水質改善・清掃と生態系回復、鎮守の森など身近な緑地の手入れと整備、放置されている里山の手入れと利活用、市民農園やお花畑としての休耕地の活用など、すぐ手を加えることのできるフィールドは、身近なところに必ずあります。それらの活動を、地域の子どもからお年寄りまで、それぞれが出来る範囲で力を合わせて行う、市民による環境再生への取り組みに着手します。
     各地域の具体的な課題を踏まえた活動案に対し、その主体となる地域活動団体などへの人的・財政的支援、ならびに広報活動のサポートなどを行います。青少年から働き盛りの人たち、まだまだパワー全開の定年退職者まで、世代間交流と顔の見える関係作りを兼ねた、地域の自然環境の改善を進めます。また、これは優れた地域づくり活動でもあり、また環境教育の実践の場でもあります。
     その中でも、特に全市共同で緊急に取り組むべき課題として、「水の確保」があります。それは、健やかなる水源林の再生です。今、足柄平野の地下水位が着実に下がっていますが、それは足柄平野を囲む森の保水能力が大幅に低下したことを意味しています。荒れた山林を再生させる方策を、国・県と市と市民が共に考える場を作り、再生への実践を始めていきます。

    ☆豊かな小田原の自然環境を象徴する「里山」エリアの整備

     市街地を抱くように小田原の周囲に存在する里山の森を、人と自然の共生エリアとして、また自然環境豊かな小田原の象徴的な生活空間として、更には地場産業に原材料を提供する農林業のフィールドとして、しっかりと整備し活用してゆきます。かつて小田原にもあった「学校林」の復活なども視野に、各地域の小中学校や諸団体および農林業者などの皆さんが、その地域ごとの活動の受け皿となります。

    ☆小田原の自然環境を巡る回遊路づくり

     小田原の自然環境の豊かさを、市民が日常生活の中で実感し、また外から小田原を訪れる方々にその素晴らしさを知って頂けるよう、歩いて辿れるウォーキングトレイル(回遊路)を市内全域に張り巡らせます。里山、田園地帯、酒匂川や狩川、自然公園、海岸線などを縦横に結んでゆきます。

    ☆水と緑が溢れる、市街地の空間整備

     市民や来訪客にとって、最も日常的に接する「環境」は、市街地や住宅街です。この空間にどれだけの「自然」があるかが、とても大切です。公園、鎮守の森、水路、河川とその土手などの空間を、街なかの大切な自然として手を入れていきます。また、来訪客の多い小田原駅や小田原城周辺をはじめ、各ターミナル周辺の商業地・住宅地に、植栽や花壇、あるいは井戸やせせらぎなどを整備し、アメニティ(快適性)の向上を目指します。

    ☆小中学生を対象とした、環境教育の明確な位置づけ

     次の時代を担う小中学生の段階で、地域の自然環境の素晴らしさや、地域固有の動植物について理解を深めることは、小田原の自然環境を将来にわたってより豊かに守り育てる上で不可欠。小中学校の学習活動の一環として、地域の自然環境や、様々な生き物についての学習を明確に位置づけます。

    ☆地域ぐるみでの環境認証基準などの導入

     小田原の中には、既に多数の事業者が環境ISOなどの国際環境認証基準を取得されていますが、中小企業などでは費用の問題などから、意識があっても着手に至っていないケースがあります。小田原市役所自体が、まだ環境ISOの認証を受けていません。豊かな自然環境に恵まれた小田原として、地域ブランドや品質イメージの向上にも寄与するよう、まずは小田原市役所がISO認証を取得し、さらには地域としての環境認証基準づくりへの取り組みを進めます。

    ☆自然環境を活かしたクリーンエネルギーへの取り組み

     地球レベルの資源枯渇や環境変化に伴って、今後はエネルギーも、可能な限り地域で、しかも地球環境を損ねないクリーンな方式によって賄うことが求められます。小田原の地勢的な条件をフルに活かして、風力・太陽光・小規模水力などによるクリーンな発電や、廃食油・菜の花栽培によるディーゼル燃料の生産を、民間事業者との協働によって進めます。公共施設における電力需要や、公用車が使用する燃料の分野に、それらのクリーンエネルギーを先駆的に活用しながら、より広範な活用に向け研究や開発を支援します。クリーンエネルギーの活用奨励によって、地球温暖化対策へも貢献します。

    8.行政改革

    「市民と職員が互いに手をたずさえ、一緒に小田原を創る」市役所へ、改革を進めます。

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    【基本方針】

     各会計が抱える債務残高総額と債務負担行為を合算した「借金」の総額が1600億円になろうかという財政状況。少子化社会・高齢化社会の同時進行によって税収減・支出増となり赤字経営の危機を孕む経営構造。これまでと同じ発想や手法で自治体の経営を続ければ、小田原市の経営は破綻し、あるいは市民をこれまで支えてきた各種公共サービスの供給は行政職員だけでは到底賄えなくなる可能性が大です。また、市民が願う小田原のまちづくりや、地域ごとに異なる地域状況へのきめ細かい対応を進めるためには、実質的な市民参加の政策形成プロセスや、市内の各地域への分権を進める必要があります。
     ムダを排した行政事業体への進化を目指しながら、並行してこれからの地域運営の主体となるべき市民の実質的な参画を可能とする市政運営システムへの移行を進め、市民と行政がゆるぎない信頼関係のもとに協働して行ける小田原の実現を急ぎます。

    【核となる取り組み】
    職員の地域担当制の導入

     人口減少社会における税収減の傾向の中で、市民生活を支える為の福祉・教育・医療・まちづくりなどの公共サービスの担い手として、行政だけではなく市民もまた、積極的に地域運営に参画をしてゆくべき時期を迎えています。「地域の課題は地域で解決する、」「市民に出来ることは市民がやる」というのが、これからの地方自治の大きな流れ(地域内分権)となります。
    その時に、単に地域で暮らす市民だけがそれを主体的に担い、全てのことを賄うことは不可能です。しっかりとした地域コミュニティを再建するには、税金で賄われている行政職員が、これからは地域の現場に精力的に係わり、未来に向けて安心の出来る地域運営の仕組みづくりを立ち上げるべく、地域住民の最良のパートナーとして活躍をすることが必要です。
     小学校区を基本に小田原を地域単位で分けて考え、それぞれの地域に、地域専属の職員を配置します。従来の支所の機能をはるかに越えて、地域住民の皆さんの現場に分け入り、人材の掘り起こしとネットワーク化、地域コミュニティの様々な機能を育てる方向での事務局的な役割を果たしながら、各地域の自立的な運営体制の立ち上げ、そして地域住民が問題解決能力を持つ地域コミュニティへの進化を支えます。受け入れ態勢の比較的整っている地域から順次導入、各小学校区に数名の配置を行います。
     地域担当となる職員の人員確保は、新規採用は行わず、現在の職務分掌体制の合理化・効率化を進め、業務効率を2割程度上げることで生まれる余剰人員を振り向けます。また、職員の地域での常駐拠点については、小中学校の空き教室などの公共空間を最大限活用するなどし、拠点整備コストは最小限に抑えていきます。

    【重点政策】
    ☆市民・行政が協働で財政健全化策を策定

     国の新たな財政チェック指標(連結赤字比率など)の設定などを契機に、小田原市が係わる全ての事業(特別会計、企業会計、公社、第3セクターなど)にわたる、財政データを全て市民と共有するとともに、巨額の累積債務の軽減化策も含めた財政再建策を、市民と行政が一体となって研究・策定していきます。そのためのプロジェクトチームを、直ちに発足させます。

    ☆行政事業の効率改善と民間委託を推進

     「事業仕分け」などの手法を導入し、これまで行政が取り扱ってきた事業を、民間に移管できるもの、行政が行うが事業効率の向上が見込めるもの、従来どおり行政がしっかり取り組むべきもの、などに分類し、行政事業のスリム化と効率化を目指します。

    ☆政策形成段階における市民参画機会の確保

     「計画が公表された段階で既に実施が決まっており、市民の意見が反映されることがない」とされてきた従来の行政の政策および計画立案プロセスに、形式だけでなく実質的に市民の参画を確保する手続と仕組みを導入します。具体的には、主要政策領域に分野別「市民会議」のような市民ワーキンググループを設置、市民意見の確実なる反映を目指します。

    ☆現場感覚と専門性向上を重視した職員ローテーションへの移行

     職員は早い時期に地域担当職員を一定期間歴任することにより、市民生活の現場感覚を身につけるとともに、市民が直面する様々な具体的な課題の中で、行政職員としての基礎的な経験を積み吏員としての技量を身につけます。その後、現場での経験から得られた適性と意欲、そして専門性に応じて、しかるべき専門分野に配属がされてゆくような、キャリアアップとローテーションの仕組みを段階的に導入していきます。

    ☆職員の意欲向上と能力開発の促進

     高いモチベーションと専門能力に裏付けられた職員の率先垂範と現場での協働への参画こそは、新しい小田原を具現してゆく上での最大の推進力です。庁内の職員提案制度の充実や、自主的な専門研修取り組みなどへの支援、地域での市民との協働活動の成果に対する顕彰などを通じ、職員の意欲と能力を高めていきます。

    ☆市民への行政情報提供の徹底と、手段の拡充

     透明性のある市政と、市民参画の市政を実現する大前提は、行政情報の徹底した透明化です。小田原市が現在取り組んでいる全事業、予定されている計画、新たに導入が検討される政策や事業計画の素案、各種専門部会や諮問委員会での検討内容は、原則として全て、市のホームページと、市庁舎内に拡充する行政情報センターにて公開し、全市民が容易にアクセスできるようにします。各種統計データや財政状況などについても、同様に誰もが情報入手できるようにします。

    4つの重要課題への対応
    1.小田原城周辺のまちづくりビジョン

     小田原城周辺は、主に4つの性格をもつ地域で構成されています。まず、(1)広域のターミナルである小田原駅周辺。(2)その周囲に発展してきた中心市街地たる商業地。その外側に、(3)歴史と文化、なりわいを宿すかつての城下町。さらに、(4)街をとりまく海・川・丘・山。これらが、狭いエリアに重層的に存在するのが、小田原の特徴です。それぞれに、小田原を元気にしてゆく上で、他には担えない役割があります。まちの構造を活かし、それぞれの場所に相応しい役回りを与え、回遊性に十分配慮するなどして、小田原の可能性が最大限に発揮されるよう、まちづくりを進めることが大切です。3つの案件については、以下のように位置づけます。

    【城下町ホール建設計画は、利用価値が高く市民に愛されるものへ転換します】
  • 現計画は、小田原のシンボルである城址景観に馴染まず、音楽ホールとしても劇場としても、また市民文化活動の拠点としても、致命的欠陥を抱えています。音楽、舞台、展示、各種イベントに便利な、多くの市民に素直に歓迎される、利用価値の高い市民ホールを目指します。
  • 市民・専門家・職員による検討委員会を立ち上げ、「市民主体による文化創造の拠点づくり」を主題として、本格的かつ集中的な検討プロセスに入ります。2年を目標として、再検討、設計案の策定、事業化の確定を行います。
  • 現在、建設の事業主体に予定されている神奈川県企業庁との関係性は継続し、真に市民に歓迎される事業案への差し替えについて了解を求め、本事業への事業資金枠の確保を目指します。
  • 具体的な対案については新たな検討委員会の答申を待ちますが、現段階で最も本事業の趣旨に適い、また小田原駅周辺の活性化に貢献する案として、お城通り再開発計画の予定地区に用地を変更することを提案します。その際、遠くない将来に一体化が進められる2市8町の広域での役割分担を視野に、新たなホールの機能および規模などの再設計が必要です。
  • 小田原市の現在の財政状況を踏まえ、ムダのない合理的な設計によって、現在63億円と見積もられている建設総額を大幅に圧縮することを目指します。
  • 現在の計画予定地は、小田原城の正面玄関であること、小田原城周辺の観光回遊ルートの中心に位置することから、小田原の地域経済に最大限貢献できる立地活用を実現するべく、歴史博物館/美術館/図書館/物産センターなど、恒常的に地域内外からの来訪客を迎え入れることの出来る用途が望まれます。そのための検討委員会を民主導で同時に立ち上げ、可能な限り早期の事業化を目指します。
  • 【お城通り地区再開発計画は、公共性と市民利益を考え、事業内容を見直します】
  • 小田原駅前のきわめて貴重な市有地を、50年間、特定の民間事業者による商業施設等の運営用途に、市況の半値程度の賃料で貸付けてしまう現計画は、公共資産の保全と市民への利益還元、小田原の顔となる駅前の空間価値の最大化、駅周辺商店街への影響などを考えれば、市として推進すべき内容ではありません。公共性が高く、小田原の魅力の最大化を実現し、地元商店街との共存共栄が可能となる事業内容への転換が必要です。
  • 最適の事業案については、地権者、周辺商業者を含めた検討委員会によって検討を急ぎますが、公共性・小田原らしさの実現・商店街との共存共栄の視点から、現段階で最も実現性および可能性のある事業案として、新たな市民ホールを核とした広域交流拠点づくり事業案を提案します。その施設群に付随する建築物の中に、既存地権者の権利床を確保していきます。
  • 当初よりのこの地域の役割に基づき、神奈川県西部および富士箱根伊豆地域の真の交流拠点となるよう、広域交通のターミナルとしての役割と、各方面からの交流人口獲得機能に十分留意します。
  • 新たな建造物の設置に当たっては、駅前デッキ上から天守閣方面への眺望を極力生かすよう、一部地中化および低層化に配慮します。また、地下化などにより、可能な限りの駐車台数を確保します。
  • 【地下街は、市民及び来訪者の活動・交流拠点としてすぐに活用を開始します。】
  • 市内全域と公共交通で結ばれ、雨にも濡れずに来訪できる、駅前の貴重な空間である地下街については、全市民の活発な利用が行われるような、市民に必要とされる機能配置を考える必要があります。周辺商業の活性化と連動できるよう、民間主体の事業化検討委員会を至急に立ち上げます。
  • 具体的な利活用案については検討委員会の答申を待ちますが、有力な事業案として、シニア層を対象にしたアクティビティセンター(シニアが元気に活動してゆく為の、学習及び交流施設)および、外部から小田原を訪れる観光客やビジターの拠点施設化、そして、現在狭いスペースで運営がされている市民活動サポートセンターの拡充設置などが考えられます。
  • 2.地域医療体制の立て直し

     地域医療を共に担う民間医療機関との十分なコミュニケーションの上に、民間医療機関と市立病院の役割分担と協力体制を構築し、地域としての医療体制の安定化を目指します。その中で市立病院は、民間医療機関との相互補完的役割を果たしながら、市民の基幹病院として急性期医療・高度専門医療および救命救急医療の部門へ特化を進めます。経営の合理化と業務体系の見直しなどにより医師や看護師の勤務状況を改善、スタッフの確保を急ぎます。また民間医療機関には、市民に身近な地域密着型の「かかりつけ医」としての機能をこれまで以上に発揮して頂けるよう、情報共有と連携を進めます。

    3.財政再建への取り組み

     まず第一に、現在の歳出構造の見直しを進めます。手法として、民間・市民の視点による行政事業の仕分けを行います。「民間が取り組むべき事業」「行政が取り組むが効率化の余地が大きい事業」「これまで通り行政が取り組むべき事業」に分け、歳出の削減と効率化を進めます。 
     第二に、総額1500億円に達する債務(市債残高および債務負担行為)の早期軽減を、新規起債の極小化により目指します。一般会計だけでなく、下水道会計など特別会計における財務体質の建て直しも進めます。それにより、公債費と繰出金の早期圧縮をはかります。
     第三に、市役所にとっての最大の資源である職員の「資源効率」を極大化します。現行の職員体制で、市民生活へのサービス貢献度を最大化できるよう、職員の適性と能力に応じて配置を見直し、個々の職員の「やる気」とパフォーマンスの最大化を目指します。

    4.広域合併へのスタンス

     恵まれた環境と地勢を誇る県西地域の総合力を発揮する意味で、また行政コストを下げる意味でも、2市8町エリアの広域合併の意義は大きいでしょう。ただし、市民生活のレベルでの様々な不安定要素(福祉、医療、教育など)をある程度解決し、少子化・超高齢化社会への基礎的な備えを済ませることが前提条件となります。平成22年度という現行法の期限に囚われず、当面は自治体間の経済活動連携を先行させ、交流実績と信頼を積み重ねながら、民意の十分な確認を経て進めるべきでしょう。